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2008.04.16

■non coat old lens

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LEICA M8 / Hektor 5cm f2.5

まったくコーティングがないレンズというのはなんとも不思議な感覚だ。

美しいくらい透明なガラス玉?現代のレンズではおよそ考えられない。いまどきの携帯カメラのレンズにもコーティングはあるのかな?たぶん・・

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LEICA M8 / Hektor 7.3cm f1.9

シャッキリとは写らないし、逆光には弱いし、ピントは来ているのかいないのか定かでないときがあるし、開放ではシャープなのは中心部だけで、周辺は甘く、流れ気味だし。

って悪いところばかりに聞こえるけど、これが妙に味がある。ヒトの温もり感のような・・・これはなかなか分らないかなあ。

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LEICA M8 / Hektor 2.8cm f6.3

と言っても70年以上も前に生まれたレンズを今更、熱く語ってもなんだかなあ~ですが。

でも・・・写りすぎて困るくらいのデジタル時代には逆に合っているのかもしれない。当初、M8とは相性は良くないと思い込んでいたけれど写りすぎないユルさの中の繊細さがなんとも・・・。

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2008.04.15

■Oh! Hektor!

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colors @ twilights
LEICA M8 / Hektor 7.3cm f1.9


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colors @ flowers
LEICA M8 / Hektor 7.3cm f1.9

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■Hektor7.3cm -legends-

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このレンズは木村伊兵衛氏のポートレート作品で伝説になったらしい・・・。

なんとなくそうなのか・・という認識でしかなかったが。その撮影手法を知り、初めてなるほど・・と。このレンズの特性と使い方を的確につかんで撮影されていたようでさすがであると・・・。

お仲間の作例を拝見して個体差とバリエーションでひとつとして同じ写りがないことにも呆れているが私の個体も怪しい雰囲気が漂っている。

キレイ過ぎるオールドライカは気をつけた方がいい。とよく言われているが・・私のものはキレイ過ぎというほどでないが比較的キレイなものだ。シリアルは23万台だから、中期?後期かな?

専用フードもキャップも丁寧に使われていたのかな?と言える程度の外観を保っている。レンズ本体もさすがにあちこち塗装のハゲかかった部分はあるがヘリコイドの重さ以外は気になるところはない。

このレンズで木村氏の撮影手法を知った上で、なるほどなあ~と感じたのが開放での被写界深度の深さ。73mmでf1.9のレンズといえば立派な中望遠の大口径だ。

最短はこれもバリエーションで違うようだが私のものは指標は1.5mまでだが実際は約1.3mまで使える。その最短付近の撮影で先日の新宿御苑で感じていたのがピント合わせのしやすさ。

普通はこれぐらいのレンズの開放になるといくらM8でも正確なピント合わせは難しい。しかし、意外とピントが来るなあ・・と。実際にピントはきちんと合っていた。

これが木村氏が掴んでいた特性、開放でも被写界深度が意外と深いレンズ、ということなのか?このHektor 7.3cmというレンズは別名ポートレイト用レンズと言われるのも頷ける。

これならば最短付近でも顔のほとんどをカバーできる。その上、芯があって柔らかな、というかホワホワの写りなのだから、このレンズに魅了される人が多いのも分るような気がする。

背景のガサガサ感的な後ボケのクセは確かにあるようだが純粋にポートレイトの場合は気をつけなければいけないかもしれないがそれも味かな・・と。

ホント、レンズは、特にライカレンズは実際に使ってみなければ分らない。困ったものだ。

LEICA M8 / Hektor 7.3cm f1.9

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2008.04.13

■Breathless 4

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monochrome @ shinjyuku gyoen
LEICA M8 / Hektor 7.3cm f1.9

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■Breathless 3

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monochrome @ shinjyuku gyoen
LEICA M8 / Hektor 7.3cm f1.9

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■Breathless 2

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monochrome @ shinjyuku gyoen
LEICA M8 / Hektor 7.3cm f1.9

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■Breathless 1

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monochrome @ shinjyuku gyoen
LEICA M8 / Hektor 7.3cm f1.9

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2008.04.12

■Hektor 7.3cm f1.9

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昨日は毎年恒例の新宿御苑でのお仕事。屋外でごくフツーの記録写真はカット数も多いし、園内を何周もするので40D+標準ズームの軽量セット。

毎年、楽しみなのはお仕事セット以外に持っていく息抜き用の機材。昨日はこのバルナック時代のユルユルレンズ。その写りはお仕事を忘れてしまうほど・・・。

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前日からの雨も午前中で上がり、ちょうど陽も差してきて絶好の?ヘクトール日和。御苑は様々な種類の桜もまだまだ見頃。滲みとホワホワと。でも芯はしっかりとしたライカオールドレンズの味を満喫。

オリジナル画像は若干イエローが被る傾向があるけれどそれをキレイに調整してあげると気持ちの良い絵画調に。

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これも毎年の役得で申し訳ないのですが一般の人が一人もいなくなった閉園後の僅かな時間。夕暮れ時の御苑の光景とヘクトールは柔らかな風景画のよう。

こういう描写をするレンズはやはり人類の財産。今、作ろうとしても無理ですねえ。おそらく・・・。

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こういう写りが心底素晴らしい!と感じるのはコチラ側の変化?歳のせい?モノクロ時代のレンズにも関わらずカラーでもとても好ましい絵。

御苑を出て夜はお約束があったので繁華街へ。いつものドライバーズシートから賑やかな靖国通りをパチリ・・・ここでもらしさ?全開の絵にニンマリ。

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お仲間でヘクトールの諸先輩方のお写真にはもちろん強く背中を押されたのは言うまでもないのですが・・・この玉は当たりなのでしょうか?それともフツーのハズレ?なのでしょうか?

と・・・伺いたくなるほどの魅惑的な玉ですね。(笑)

LEICA M8 / Hektor 7.3cm f1.9

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2008.04.06

■至福のとき

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LEICA M8 / Hektor 5cm f2.5

Hektor・・・という響きと写りに魅せられ。

大好きな歴史というものをたどっていったら・・バルナックにたどり着いてしまった。

恥ずかしながらこの歳であらためて知った禁断の世界。

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プリミティブ!ビューティフル!ただもうそれだけ。

デジタル全盛の今、半世紀以上前の写真機に不覚にもノックアウトされるとは・・・。

相変わらず、毎日、PCの前でデジタルフォトと格闘している自分。

身も心もデジタル過多にさすがに食傷気味のときも・・。

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LEICA M8 / Hektor 2.8cm f6.3

古臭いけれどなぜか美しく感じるバルナックの姿、ここちよい巻き上げ感とシャッター音。

そして、金属の塊そのもののボディの感触はデジタルにはない世界。

今の自分にとっては言わば正常な生理機能を保つビタミン剤?

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銀座クリニックあたり?で「DⅡ」「ⅢC」の2種類のビタミンを処方してもらった。ムフフ・・。

バルナックのシャッターを切り、眺めて、触って、再びPCに向かう。

なぜか落ち着く至福のとき・・・。

どうもスミマセン・・・また、やっちゃった。(笑)この時期のフリーランスは自制心を失います。

フイルムはもう使わないと宣言してるのにねえ?作例もM8だし・・・(苦笑)

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2008.04.01

■undermillion / 921***

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以前、あるお方からズミクロン99万台をお借りしてその写りに少々驚かされた。ただ、アンダーミリオン=放射能というイメージが強く、恐怖感のほうが勝ってしまい、短期間でお返ししてしまった。

後で撮ったカットをあらためてじっくり眺めて、う~んと唸っていた。オールドライカによくある描写、開放での中心部は現代レンズに勝るとも劣らないシャープさ。

ただし、人工的なシャープさは感じられず、あくまで柔らかさを含みながらのここちよいシャープさ。そのためか質感も生々しさが損なわれることはなかった。

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逆に周辺部は甘さが残り、場合によっては流れ気味でお世辞にも良いとは言えない。しかし、同一画面内でのその落差がなんとも言えない空気感を醸し出している。

おそらくきちんとしたテストをしたらお話にならない写りだ。がしかし、雰囲気から言えばオールドライカの写りはなんとも言えない魅力がある。

先日、たまたま正真正銘?と言われるトリウムアンダーミリオン。つまりズミクロン92万台と出会ってしまった。あの写りが頭から離れなかったため、危険を承知で思わず手にしてしまった。

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ただ、購入直後はこの玉はそれほどでもないのかな?という印象だった。しかも撮った絵がはっきりと分るくらい黄色に被る。モノクロしか使えないかな?ダメかなあ?と。でもこんなもんじゃないでしょ?と信じ・・・

晴天の下、ごく普通に撮影し、試しにSILKYPIXで黄色被りをキレイに取り除いたら・・・素晴らしい画像が浮かんできた。ピントのあった中心部のシャープさはこれは・・・とため息が漏れた。

撮影時の色被りはさほど影響がないデジタル時代だからこそ生き返ったと言えるかもしれない。アンダーミリオン・・・噂にたがわず素晴らしい写り。色々な意味?でライカ恐るべし。

LEICA M8 / Summicron 5cm f2 undermillion

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