■Hektor7.3cm -legends-
このレンズは木村伊兵衛氏のポートレート作品で伝説になったらしい・・・。
なんとなくそうなのか・・という認識でしかなかったが。その撮影手法を知り、初めてなるほど・・と。このレンズの特性と使い方を的確につかんで撮影されていたようでさすがであると・・・。
お仲間の作例を拝見して個体差とバリエーションでひとつとして同じ写りがないことにも呆れているが私の個体も怪しい雰囲気が漂っている。
キレイ過ぎるオールドライカは気をつけた方がいい。とよく言われているが・・私のものはキレイ過ぎというほどでないが比較的キレイなものだ。シリアルは23万台だから、中期?後期かな?
専用フードもキャップも丁寧に使われていたのかな?と言える程度の外観を保っている。レンズ本体もさすがにあちこち塗装のハゲかかった部分はあるがヘリコイドの重さ以外は気になるところはない。
このレンズで木村氏の撮影手法を知った上で、なるほどなあ~と感じたのが開放での被写界深度の深さ。73mmでf1.9のレンズといえば立派な中望遠の大口径だ。
最短はこれもバリエーションで違うようだが私のものは指標は1.5mまでだが実際は約1.3mまで使える。その最短付近の撮影で先日の新宿御苑で感じていたのがピント合わせのしやすさ。
普通はこれぐらいのレンズの開放になるといくらM8でも正確なピント合わせは難しい。しかし、意外とピントが来るなあ・・と。実際にピントはきちんと合っていた。
これが木村氏が掴んでいた特性、開放でも被写界深度が意外と深いレンズ、ということなのか?このHektor 7.3cmというレンズは別名ポートレイト用レンズと言われるのも頷ける。
これならば最短付近でも顔のほとんどをカバーできる。その上、芯があって柔らかな、というかホワホワの写りなのだから、このレンズに魅了される人が多いのも分るような気がする。
背景のガサガサ感的な後ボケのクセは確かにあるようだが純粋にポートレイトの場合は気をつけなければいけないかもしれないがそれも味かな・・と。
ホント、レンズは、特にライカレンズは実際に使ってみなければ分らない。困ったものだ。
LEICA M8 / Hektor 7.3cm f1.9
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