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2008.02.03

■8枚玉購入顛末記

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LEICA M8 with SUMMICRON 35mmf2.0 8elements

初めての8枚玉はドイツウェッツラー製の最後期。

コーティングは一般的にはアンバーかゴールドが多く、少数ですが伝説のブルーコーティングというのがあるらしいのですが私の玉はアンバーにパープルが混ざった美しいコーティング。シリアル227万代でした。

ここからは購入の顛末記です。少々長くなってます。

いつものことですが・・・興味のある方だけどうぞ。(笑)

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LEICA M8 with SUMMICRON 35mmf2.0 8elements

8枚玉については今まで散々その伝説を聞かされ、読まされてきました。実際にお仲間のブツも拝見したこともありましたがあまり食指が動きませんでした。

実は何を隠そう、いや隠していませんが私はガチガチのズミルクス派。モデルごとにクセが異なり、イザというときのf1.4は代えがたい存在です。

35mmという焦点距離でのf2は少し中途半端に感じていました。ただ、一度ライカ沼に身を浸したものとしては8枚玉はいつか・・という気持ちはこころのスミにあったのも偽りのないこと。

たぶん火がついたら一気に逝ってしまうことも覚悟していたときに昨日も書きましたがpooyanさんの記事。階調豊かでなんとも言えない優しさを見事に写し撮った作例。参りました。

そのほかにもここ一ヶ月でブログのお仲間やミクシィのお仲間から続けて「8枚玉」というキーワードが耳に入ってきてしまい、それ以来、ショップに行っても今まで全然気にもしなかった8枚玉が妙に気になり始めてしまいました。

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LEICA M8 with SUMMICRON 35mmf2.0 8elements

約一ヶ月の間、何本もの8枚玉をM8に装着して試写を繰り返しました。しかし、厄介だったのがどれ一つとして同じ玉がない!聞きしに勝る個体差の嵐!う~ん。いったい全体どれがいい玉なのか?

価格差もありますがしかし必ずしもその差が程度に反映しているとも言えない。外観が極上だが玉が問題ありだったりその反対もあったり、絞りのクリック感もヘリコイドの感触もインフィニストッパーの音も全部違う。さすがライカ・・(苦笑)

それでもたくさんの8枚玉を試しているうちになんとなくですがツボが分ってきました。で、これもいつものようにな~んだ、ということですが行きつけの上野のお店。

ここはウェブやウインドウをちょっと覗いただけではお目当てのものが見つけられない迷路のようなお店。(笑)「8枚玉が気になっていて・・・」と話すと、それならあるよ3本!はあ~、どこに?

あら~、ウインドウの奥の方をよ~く見るとありました!バブルケースに入った8枚玉が。早速全部出してもらっていつものように色々と試してみることに。ハハ、やっぱり全部フィーリングが違う。程度は全部美品で価格は松竹梅。

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LEICA M8 with SUMMICRON 35mmf2.0 8elements

中古レンズは実際にボディにつけて操作して撮ったときのフィーリングがなにより大事。で、今回はさらにその場で決めず、3本それぞれで撮った試写データを一度持ち帰り、自宅のPCでじっくりと・・。

これも驚いたのは微妙でしたが絵が全部違う・・ただ、梅?が中心部の解像感が一番柔らかく感じたので結局、梅に決定。ところがこの梅には美しい元箱が付いていました。決めてから知ったことでしたが8枚玉の元箱付って意外と珍しいらしくちょっと得した気分。

でも外観も極上で元箱付でなぜ、梅なのか?実はほとんど肉眼では見えないくらいのうっすらとした拭き傷か何かが一本だけある玉でした。ただ目を皿のようにしても分らないし、しかも肝心のコーティングは問題ありません。

で、試写した結果もまったく問題はなく、でもそのうっすらの傷一本それだけで梅。まあ中古というのは分らないものです。特に8枚玉はそういうものらしいです。

めでたく私の元へ来た8枚玉ですがやってみたかったことがありました。ブラックボディとのセット。この組み合わせは以前、ライカ通信でこのセットの美しさに目が釘付けになったことがあってそれが頭の片隅に残っていました。

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普通は同じシルバーボディとの組み合わせが順当ですがこの時代のシルバークロームは今のシルバーとは仕上げが違うことは有名。個人的にはブラッククロームとの組み合わせに美学を感じます。

あ~あ、こういう楽しみ方もあるから沼なんて呼ばれるわけで見事に沼の奥底に棲んでいますねえ、自分は。もう絶対に抜けられないですね。(笑)

で、肝心の写りですが・・

今日、たまたまですが関東地方に初の大雪。「柔らかく階調豊かな写り」というのが8枚玉の定説。うってつけの被写体です。まさに8枚玉日和。寒い中早速、近くのお寺へ。

DNGで撮ってSILKYPIXで仕上げました。8枚玉だからかどうかは定かではありませんが雪のディティールはいい感じのような・・・で、噂どおり開放よりもf4~f5.6あたりが一番立体感が感じられます。

やはり8枚玉はなかなか通好みのレンズですねえ。それからこの玉とM8はRAWつまりDNGが絶対ですね。この階調を生かすにはJPGではダメです。DNGとのあまりの差に愕然としました・・・。

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Comments

おめでとうございます.8枚玉仲間が増えました(うちのは眼鏡付きですけどね〜).R-D1の頃から無理矢理使ってましたが,なんか一番安心できる感じのレンズです.

Posted by: SlackWorks(りーまん) | 2008.02.03 19:30

>りーまんさん
考えてみるとみなさんお持ちなんですよね~この玉。
いいレンズですね。しかし、あらためて恐ろしいお仲間たちだ・・・(笑)

Posted by: itamura | 2008.02.03 21:48

あーあー。やっちゃった。
こういうインプレが一番恐れていたんですってば。
何とか自分の気持ちを、誤魔化そう誤魔化そうとしてたんですけど。。。(T_T)酷い。。。。

ちなみに眼鏡はりーまんさからの借り物ですので。
考えようによっちゃ、りーまんさんが一番酷な人ですか(爆)?

Posted by: 穂夏 | 2008.02.03 22:39

>穂夏さん
自分の気持ちを誤魔化すのは体によくないですよ~(笑)
Lまで逝っちゃったpooyanさんを見習ってここはひとつ逝きましょう!(爆)

Posted by: itamura | 2008.02.04 00:07

8枚玉買ったら、もうアガリですね(笑)

Posted by: shingai | 2008.02.04 06:35

>shingaiさん
いや、まだまだアレとかアレとか・・(笑)

Posted by: itamura | 2008.02.04 13:43

ご購入おめでとうございます。私の(カビ跡あり、前玉擦傷)より全然綺麗な玉ですねえ。雪の軽井沢で撮影した雪景色の1枚をみて少しだけ「神話」の片鱗に触れた気もしますが、itamuraさん3枚、のこの降り積もる音まで聴こえてきそうな静寂感…素晴らしいです。

個人的には「雪・曇り用に最高のレンズ」のような気がしてきました。
冬の鳥海山とか恐山とか…撮ってみたくなっています。

Posted by: kiku | 2008.02.04 17:19

>kikuさん
ありがとうございます。8枚玉はみなさまから色々と情報をいただき、いい玉に出会えました。
実はkikuさんと偶然お会いしたときにkikuさんがなにげなく「雪の軽井沢で・・」とお話されたことが妙に耳に残りまして・・加速しました。(笑)
球面ズミルクスとは違った柔らかさが気に入りました。おっしゃるようにフラットな光のときに出番が増えそうです。
それにしてもこのレンズのデザインは最高ですね。しびれています。

Posted by: itamura | 2008.02.04 20:20

やっぱり、ライカをお持ちとなれば8枚玉は外せませんよね~。私も以前3本、試した(購入→売却)経験がありますので分かります、お気持ちは。
でも3本とも違う写りしてましたよ~。(爆

Posted by: じん | 2008.02.05 12:56

>じんさん
おっしゃるようにいつかは8枚玉?ですね(笑)やっぱり魅力のあるレンズです。先人たちが伝説化する気持ちが分るような気がします。

Posted by: itamura | 2008.02.06 03:18

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