■穏やかさの中に・・・

LEICA M8 with SUMMILUX-M 35mmf1.4 ASPHERICAL

このレンズの評価とはいったい・・・？

使っていて常にそう感じながら、やはり手作りの部分を持つがゆえの個体差とコンディションの差、ボディとの相性などなど評価を定める要素の曖昧さが残る。

現に私の個体はM8のシルバーとブラックでそれぞれピント精度が明らかに違うし・・まあM8自体の個体精度というものも付いて回るし、古いレンズということ自体もあるし・・・。

さすがにユーザーは少ないが評価はそれぞれ分かれるところだろう。ただ、ライカの35mmf1.4で非球面という普通に考えれば写りが悪いはずのないレンズであることは確かだ。

私にとっては情緒的な球面ズミルックスに対してどんなときも安心して使える。という評価にプラスして現行とは違う微妙な感覚をコントロールできるピントリングの形状、フードも含めたトータルなデザイン。

これだけでも価値は感じるわけだけど・・・。

そして何より人の手が入ったプロダクトとしての何か・・。道具である以上、そういった眼には見えないが伝わってくる何がしかの感覚がやはり、撮影時に影響しないと言えばウソになる。

はっきり言って正当なプライスフォーバリューと言えるレンズなのか？は私には分らないがそういう世界なのだろう。このレンズで撮った穏やかな写真の中にその魅力が垣間見えることがその答えなのかもしれないが・・・。

自称べた褒め将軍？の私でもやはりミステリアスなレンズだと感じる。まあ、他のライカレンズのキャラが立ちすぎていることも否めない。

特に最近滲み系ウィルスが猛威を振るっていたり、周辺落ちが好感を持たれる変な世界では普通過ぎる写りだから・・・なんとも（苦笑）。

ただし、断っておくが35mmｆ1.4のレンズとして普通に？見ればまったく文句無い素晴らしいレンズだ。以前にも書いたが独特の立体感はツボにはまると唸るときがある。