■漂う雰囲気・・・
このエルマリートやスーパーアンギュロン、そして球面のズミルックスなどなど。この時代のレンズは現代のレンズに比べれば画質的に優秀ということはない。断言してしまう。絶対に!(笑)
しかし・・・
なぜか惹かれてしまう何かがある。持ったとき、撮影したとき、そして眺めたとき・・・。工業製品としてもコストダウンということが今ほど声高ではない時代のせいか、職人気質のようなものが残っている。
それでもライツ最初期のものに比べれば手が抜かれているというライカ通も多い。それも分る。ただ、今回エルマリート選びを通じてやはりこの沼の底は計り知れないほど深いなあ~と。
Mマウント半世紀の歴史の重みや深みを改めて感じた。そしてM8というライツ創世記には考えも及ばないカメラでそれらのレンズを通して写すことの意味。
それがたとえデジタルという媒体としても写ることには変わりはないわけで、デジタルかアナログか?などという議論は半世紀を経たライカレンズの前では何の意味も持たないことを感じる。
この時代のレンズを持つと撮りたいものも違ってくる。現代のレンズのときとは違うものに反応してしまう気がする・・・。モノが持つ雰囲気がイメージを作り出す・・・わけではないのだろうが・・・。
特にこのエルマリートはボケがどうとか、シャープさがどうとかとは違う世界・・・モノの質感やその場の雰囲気を写しこむことのほうが得意なようだ。う~ん、やはり深いなあ・・・。
私たちは幸せでかつ有意義な時代に写真を楽しんでいると思う。このレンズに漂う雰囲気を五感で味わいながらそんなことを感じた次第・・・。ただし、このレンズはちょいと手ごわいなあ・・・。
All photo / LEICA M8 with ELMARIT 28mmf2.8 2nd
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Comments
私の方は、まだまだ浅瀬で泳いでますが、全く同じ事を感じます。
当時は、カメラを含めてレンズなど現代のようにコストと天秤にかけたような造りではないですね。
質感、味わいすべてを求めてオールドレンズをチョイスするのでしょうか。
しかし、このエルマリート2nd良く写ってますね〜(汗)。
自分も以前ね・・・。
Posted by: TAKAHASHI | 2007.08.29 09:48
>TAKAHASHIさん
浅瀬でも足を一度でも踏み入れたら、抜けられませんよ~この沼は(笑)。ライカのオールドレンズは底なしで困ったもんです。
2ndはエルマリートの中ではどちらかというと地味な存在ですね、ただ、かろうじてここまでがライツ気質を引き継いでいるかと・・・。描写傾向はなかなか味があります。
Posted by: itamura | 2007.08.29 21:02
itamuraさん、こんばんは。
古いけど、ちょっと新しい描写ですね。
最後の写真の写りは現実感というか、何というか、とてもリアルな描写をしていますね。
それぞれの素材や質感が伝わってくるようです。
でもこれ以上レンズが古くなるとデジタルには向かなくなるような印象を持ってます。
Posted by: kuwahara | 2007.08.30 00:36
>kuwaharaさん
こんばんわ。おっしゃるとおりだと思います。M8ユーザーでも「味」と言う表現でライカのオールドレンズを好む傾向がありますが純粋に画質で語ればたぶんニュージェネレーション以降が正しい選択かと・・・。
この2ndは実は撮っていて意外と響いてこなかったのですが持ち帰って少し整えるとその質感描写は目を見張るものがありました。おそらく1st譲りのものかと思いますが独特の味を持っています。もっとも使う場面と被写体は選びますが・・・。
Posted by: itamura | 2007.08.30 01:55
こんにちは。初めての発言になります。
私は今春 Summicron 28mm を入手したのですが、Elmarit 28mm も欲しくて仕方ありません。ライカ重症患者なものですから・・・。この病気は kuwaharaさんにも治せないと思いますので・・・。
私のブログ、リンクして頂きまして有難う御座います。私の方もリンクさせて頂きました。
Posted by: KONDOH | 2007.08.30 12:33
>KONDOHさん
初めまして、ご訪問ありがとうございます。
KONDOHさんのブログはいつも拝見させていただいています。そして勝手にリンク貼らせていただいています。
ズミクロン28をお持ちなんですよね。描写性能で言えばズミクロンはまったく文句ないですね。ボケも美しいし・・・しかし、やはり私も同じです。エルマリートという響きに負けました。ズミクロンとは一味違う描写で本当に深い沼です。私もみなさんと同じ不治の病です(笑)。
Posted by: itamura | 2007.08.30 23:59