■1ｓｔ or 2nd？

LEICA M8 with ELMARIT 28mmf2.8 2nd

エルマリート28mmというのは全部で5世代もあってこれがなかなかに迷わせてくれる・・・。ズミクロン28という少々異端児的な28mmを使っているがやはりライカの28mmはエルマリートだなあ～と常に頭の片隅にあったわけで。

ここはやはり1st！と言いたいところだがすでにその市場価格は思い切る次元を超えてしまっている。程度やM8との使い勝手を考えると現実的ではなくなっている。

3rd。これは一度70周年というシロモノに行きかけた。その場で試写してあまりにシャープな写りに驚いたが大柄なフードを付けた全体の雰囲気になじめず、なんとなく縁が無かった。

4th。今の非球面の前のタイプでズミクロン28とまるで兄弟のような姿。もちろん、これも試写して写りは文句はなかったがさすがに似たようなデザインの28mmが2本あっても面白くない。

5ｔｈ。現行の最新の非球面。これも噂では写りは非常に良さそう。ただ、今までの28mmに比べあまりにもコンパクトすぎて逆に存在感が・・・しかもズミクロン28と同じ非球面でf2.8があってもこれも面白くなさそう。

LEICA M8 with ELMARIT 28mmf2.8 2nd

結局、消去法と言うわけではないが残りは2ndに。レトロと言われているが実はバックフォーカスが長めの対称型と言ってもいいレンズ構成。写りはいいに決まってる。

しかし2ndも実はデザインがあまり好きになれなかった。本当に僅かな違いだが中途半端に現代的なデザインになってしまい、1stのデザインを見てしまうと・・・結局エルマリートには縁がなかったのか。とあきらめかけていたところ・・・。

2ndでも最初期に1stのデザインを踏襲したものが少数作られたことを知る。外観は1st、もちろんインフィニロック付き、しかもフードはライカの全フードの中でデザインが一番秀逸と感じるあの12501！

初代エルマリートもスーパーアンギュロンもこの12501という奇跡的とも言えるくらい秀逸なデザインのフードとのマッチングによってより美しい姿になっていると言っても過言ではない。

えっ？なんのことはないレンズじゃなくてこのフードだったの？キーポイントは？なんて・・・。

まっ、それもありということで・・・結局、最初期の2ndに的を絞り、探したがコレが探すとなると意外にない。灯台元暗しだったが結局、銀座で見つけた。

LEICA M8 with ELMARIT 28mmf2.8 2nd

2ndは1stのように後玉の出っ張りがない分、M8でも露出計が正常に作動する。さらになぜか？28mmのフレームもきちんと出る。これについてはいまだにナゾ・・・。

調べてみるとこの時代（1972年）はまだライカに28mmの内蔵フレームはなかったはず。なのにマウントは28mm対応になっている。この手のことはあまり詳しくないので・・・。

周りのライカ通や複数の老舗中古店のスタッフに聞いても誰も明快な答えが出ない。かたやマウントを加工してあるはずだ。とか、そのモデルは加工とかは聞いたことはないし、2ndはその当時から全部28対応になっている・・・とか。

たしかにもう1本あった同じ玉と一番ポピュラーな2ndを数本試したがすべてフレームが出たから、単体で加工したとは考えにくい。製造は30数年前のことだからなんとも言えないが・・・。

当初は予想していなかった内蔵の28mmフレームも出るのでちょっと得した気分。ただ、個人的には1stのデザインのエルマリートには外付けファインダーが乗っていないとなぜか落ち着かない。

で、35mmのプラスティック製の純正外付けファインダーを乗っけてデザイン的に完成！ところがさらにオマケが・・・M8内蔵の28mmフレームよりもこの外付け35mmのほうが実際の撮影範囲が正確なことが判明。

焦点距離換算約35mmでも所詮28mm。少し絞って距離を決めて撮影、なんていうときは外付けのほうが素早いスナップが出来る。開放で人物などをじっくり撮るときは内蔵を使って・・・という使い分けが可能になった。

結果的には私の場合、この最初期の2ndがベストセレクトということに・・・。まあ、なんだかんだと言ってもこうしたプロセスが楽しかったりするのが沼にどっぷりの印（苦笑）。

エルマリート28mmの2ndとはいえ憧れだった鏡胴のくびれた1stスタイルをこの歳で初めて手にするのはなかなかピュアな気分だ。楽しみは後に取っておいて良かった・・・のかな？