2013.04.14

◇ EOS-6D

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Canon EOS-6D / Distagon 21mm f2.8

「軽やかにフルサイズ」

そのキャッチフレーズ通り、気軽に使えるフルサイズ機でお気に入りのレンズが普段使いとしてどんな場面でも楽しめる時代になりました。

一昨日の仕事帰り、久しぶりに横浜での光景。三脚なしの手持ち、開放、ISO12800!苦もなく撮影出来てしまいます。恐れ入りました。

このレンズはヤシコン時代のDistagon21mmです。「開放から優れた画質」と言われるレンズは少なくないですが・・・このレンズこそは開放のf2.8からf4でもほとんど画質が落ちず、f5.6で最高画質となり、6Dでの夜間撮影には最高のパートナーです。

カメラの進化によってこうしたオールドレンズが息を吹き返し、再び楽しめることは素晴らしいことです。本当に良い時代になりました。

6Dには他にもWiFiやGPSなども搭載され、タブレットやスマフォでもこの高画質がリアルタイムで楽しめます。ただし・・・個人的には軽くて小さくてシャッター音が優しいことが何より気に入っています。

普段気軽に持ち歩くことが出来、人に威圧感を与えない囁くようなシャッター音のフルサイズ機がこんなに早く現実になるとは思いもしませんでした。


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2013.04.08

◇ ライカレンズのモノサシ

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LEICA M9 / Summilux 50mm f1.4 1st

ライカマニアの間では銘玉としてよく知られているSummilux35mmの初代非球面、通称手磨き非球面という玉があります。今ではそのほとんどが中国大陸に渡ってしまっていると言われています。

実は以前、若気の至りと言いましょうか、当時でも驚くような高価なデッドストック品をかなり無理をして手に入れたことがあります。銘玉として名高いこの初代非球面、ぜひベストコンディションの写りを観てみたいという一心で購入後ほとんど撮影もせずにすぐにライカジャパンにオーバーホールに出しました。

一ヶ月後、待ちに待った手磨き非球面が戻って来ました。すぐにM8とMPとで試写をし、食い入るようにその描写を確認しました。が、響いて来ないのです。こころに・・・

デジタルフォトの時代、PC等倍での評価は避けて通れません。いわゆる解像感とか階調とかは一目瞭然。その多くがフイルム時代に生まれたライカレンズたちには酷な状況です。

ところが様々なライカレンズを目にしてくるといわゆるレンズの性能ではなく全く違う次元のモノサシが芽生えます。私の場合はこの「こころに響くか響かないか」のようなのです。

残念ですが高価で希少で銘玉と呼ばれている初代非球面の写りは私のこころには響きませんでした。手磨きだけに個体差があったのかもしれません。また超が付くほど高価ですからダメとは言えない人情がこの玉の世評に働いているのかもしれません。

その一方でデジタルはおろかカラーすら想定して作られていない半世紀以上前のオールドレンズがこころに響くことが多々あります。論理的ではありませんがこればかりは上手く説明出来ません。

フルサイズセンサーが一般的になり、数値上では増々高画質になりつつあるデジタル時代に「こころに響く・・・」がモノサシとはいささか矛盾している気もしますがそれもまた面白いことではないでしょうかね?


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2013.01.20

◇ OM-Dに惚れてしまった・・・

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OLYMPUS OM-D / Summilux 50mm f1.4

OM-Dは普段はRAW+JPGで撮っていますがいつも感心させられるのがJPG画質の素晴らしさ。特に解像感と忠実な記憶色はいつも唸らされます。

撮っていて実際の光景とモニタとPCとそれぞれ何かが違う、と感じるカメラは多々ありますがこのOM-Dは観たままの印象がモニタ上でもPC上でも裏切られたことがありません。

操作性もこんな小さなボディでここまで自分の思った通りに操作できるカメラもあまり記憶にありません。撮れた絵の素晴らしさと思い通りの操作性。久々に心から惚れるカメラに出会いました。人からはそんなに良いですか?という目で見られますが掛け値なしに良いカメラです。

最近ではマウントアダプターでMレンズも使い始めました。2倍換算になってしまいますが35mmや50mmあたりは予想していた以上に使いやすい印象です。

強烈なボディ内手ブレ補正と見えの良いEVF、マニュアルピントの拡大操作のしやすさ等、Mレンズでも何のストレスも感じません。

むしろコンパクトなボディとコンパクトなMレンズとの組み合わせは2倍換算を差し引いても魅力は褪せません。数多あるデジタルカメラのレビューサイトの評価でも昨年多くのトップを取ったことでも証明されました。

OM-D Proの噂もあるようですがこれがこのままプロ仕様になったら・・・と夢も膨らみます。


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2013.01.19

◇ 心地よい視覚

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Canon EOS-1Ds Mark3 / Summilux-R 35mm f1.4

今の時期、冬の澄んだ空気と光が見せる光景はご近所のブラブラ散歩でも心地良い光景を見せてくれます。

このレンズ、描写性能から見れば開放とは言え、周辺は盛大に落ち、四隅では画像は流れ、光の状況によっては画面全体がフレアに包まれます。すでにディスコンで古いレンズですがこの写りが大好きで手放せません。

現代の最新のレンズのように開放からシャープでボケも美しく・・・というわけではありませんがただ、なんとなく見える光景を自分が意識した視覚と記憶に程よくシンクロした絵を撮ってくれます。

なかなか伝わりにくいと思いますがあまりに写りすぎて見えていなかったものが見えてしまうよりは、ただぼんやりと見えていたものがその記憶のままに写るレンズとでも言いましょうか・・・

ちょうど球面のSummilux-Mにも通じる写りは今時の一眼レフ用としては貴重な?存在です。よく見ると中心部のピントの合った部分は線が細く、繊細かつ柔らかに結像しています。決して甘い写りではありません。

35mmの画角と明るさf1.4でのこのレンズ独特の柔らかな写りが作り出す世界はなかなか得難い世界です。


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2013.01.02

◇ あけましておめでとうございます。

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OLYMPUS OM-D / M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6

あけましておめでとうございます。

ほったらかし状態のブログですが本年もよろしくお願いいたします。さて・・・年明けで何ですが昨年はほとんど触れなかったので使用した機材のお話でも。

プライベートで言えばそれほど目新しいものは手にしませんでした。ほとんど仕事絡みで数は少なかったのですが本当に豊作というか良きカメラに出会った年でした。

3月、それまで4年間仕事でメインだった1DsM3に変わって5DM3が手元へ来ました。当初は地味ながらも正常進化したカメラという程度の印象でした。が、実際の現場で使用するうちにその評価はEOS DIGITAL史上最高のカメラに変わり、どんな現場でも素晴らしいパートナーになりました。

画質の秀逸さは当然ですが、何よりAFスピードとその正確さ、カメラとしての剛性感やレスポンスの素晴らしさは特筆モノで感動すら覚えました。これで仕事のレベルと幅がかなりアップしました。

ところがその5DM3を超えるカメラに出会うとは思いもしませんでした。オリンパスのOM-Dです。リリース当初、店頭で触った限りでは小さすぎてチャチくてまるでオモチャのようなフィーリングに全く興味をソソられませんでした。

ただ、かなり気に入って使っていたNEX-7の細かい部分に不満が出始め、代わりになるサブ機を模索しているうちにプロの間でも評判がうなぎのぼりのOM-Dを一度使ってみるか・・・これが始まりでした。

いざ、使用してみると予想外だったのが低感度から高感度までの画質の素晴らしさ。カメラとしての基本性能の出来の素晴らしさ。画質はAPS-Cを凌駕し、5DM3に迫る勢い。カメラとしてはこれほどコンパクトなボディに組み込まれた五軸手ぶれ補正が今まで数多使用したカメラの概念を超える凄さに驚かされました。

レンズもNEXシリーズとは比較にならないほど充実し、特にオリンパスの純正単焦点レンズ群は仕事使用でも全く遜色なく、パナソニックのXシリーズのズーム群もこれも素晴らしい描写。レンズラインアップの充実度はプロの使用にも十分耐えるシステムであることも大きな驚きでした。

2012年は一言で言えばカメラとして完成度の高いOM-Dにベタ惚れした一年でした。さて今年もどんなカメラとの出会いがあるのか楽しみです。


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2012.05.04

◇ NEX-7のマニュアルピント

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SONY NEX-7 / Thambar 9cm f2.2

今年の1月、お仲間の間では通称「銀座の名人」と呼ばれている田鹿氏に整備を依頼し、約一ヶ月半後に手元へ戻ってきたこのレンズ。

本来ならばM9で使うのが正道なんでしょうけれどNEX-7がとにかく楽。何が楽かと言うとピント合わせ。PCでの作業が多いせいか最近では眼の調子が良くない日が多いのです。

別に大きな病気ではないと思いますがおそらく眼精疲労かドライアイの感じ。M9がどうこうと言うよりもピント合わせが辛いのです。

NEX-7にはマニュアルでのピント合わせにピントピーキングと拡大機能という現在考えうるベストな機能が搭載されています。

特に内蔵EVFでのピント合わせは少々調子の悪い眼でもこれらの機能をフルに活用すればどんなレンズでも苦もなく合わせられます。

ファインダーを覗いてマニュアルでピントを確実に合わせられる。一昔前ならば当たり前のことが今のデジタルカメラではなかなか難儀な時代です。

やはり昔ながらのお作法でキチンと写真が撮れること。NEX-7を使うことのメリットはこの一点に尽きると言っても過言ではありません。

そういう意味では最新機能満載の超高画素機(一応?2400万画素!私のお仕事EOSより上!)ですがカメラとしての基本機能が肝心なのは今も昔も変わらないですね。

この写真も遠方の樹々の細かい枝にキチンとピントを合わせて撮影しています。見た目では分かりにくいタンバールですけどね・・・(笑)


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2011.12.23

◇ NOCTILUX @ GINZA

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LEICA M9 / NOCTILUX 50mm f1.0

昨夜、恒例になったヤマハ銀座のウィンドウディスプレイの撮影へ行ってきました。毎回予算が厳しい中、デザイナーとディレクターの苦心の作品を限られた条件と時間の中、納めてきました。

普段は夜遅くなると銀座でもヤマハのあたりは人通りは途絶えがちなのですが、昨夜はクリスマスと連休前の夜だった為、人通りとタクシーの列は途絶えることは有りませんでした。

数日前から何ヶ月ぶりかでM9を持ち歩くようになりました。しばらくMデジタルとは遠ざかっていましたが長年使っているこの組み合わせは一番しっくりきます。


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LEICA M9 / NOCTILUX 50mm f1.0

撮影に立ち会ってくれたディレクターとデザイナーを合間にちょっとスナップしました。その場で二人に見せると驚きの声が上がりました。f1.0の世界は普通の人には無縁ですから当然かもしれません。

僅かな光の中でのノクチの写りも好きですが、夜の銀座の煌びやかな光の中、とろけるような独特なボケはその名の通り夜のレンズ・ノクチならではの世界です。

私のノクチはE60フック付きのフードタイプですが、昨日写真仲間の集まりでf1.0初期型のE58タイプを拝見して同じノクチでも雰囲気の違いにちょっと惹かれました。

ライカレンズ特有の年代別のタイプ違いと「写りの個体差」という魔力にまたノクチ熱が再燃しそうでちょっと怖いですね。


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2011.12.06

◇ EOS-1DsMark3

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iPhone 4S

EOS-1DsMark3がパートナーとなって今日12月6日で丸4年になりました。4年間、ノートラブルでよく働いてくれました。今日もモーターショーの現場で良い仕事をしてくれました。

デジタルカメラは新しいモデルの方がよりメリットがあります。故に1Ds、1DsMark2、そしてこの1DsMark3と常に発売と同時に購入してきました。

特にフラッグシップ機はメーカーが技術の粋を集めて新たな機能を詰め込んでリリースします。その新たな機能が仕事でのクリエイティビティをインスパイアし、より高い次元の表現が可能になります。今までは常にそうでした。

来年3月にはEOS-1DXにフラッグシップの座を譲りますがデジタルカメラとしては驚異的な4年間というロングライフカメラになりました。いや正確に言えばバトンタッチまであと3ヶ月ですから4年3ヶ月になります。

さすがに最近では5DMark2などと比べると解像度の低い液晶モニタや撮影後の保存のモタツキなど気になるところはありますがやはり今でもメイン機の座は揺るぎありません。

それは手に伝わるプロダクトとしての品格や感触の差です。ファインダーの完成度やシャッターを押した時の確実感など多分に感覚的な理由ですが仕事の現場ではこれは大事です。

長年メイン機を担ってきた1DsMark3ですが来年の3月まではあとひと踏ん張りしてもらい、第一線を退いた後は50mmあたりのレンズとともにいつも傍らに居てもらおうと考えています。何と言ってもムービーの無い最後のEOS-DSLRですから・・・


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2011.12.05

◇ SONY NEX-VG20

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SONY NEX-VG20 / E18-200mm f3.5-6.3 OSS

最近はムービーでの仕事も増えつつあり、動きモノが多い世界ゆえ30pよりは60p・・・ということでそれまで使っていたVG10からVG20へ早々にチェンジしました。当然ですがフルハイビジョン60pプログレッシブは流石のクオリティでした。が・・・・

スチールも驚きの写りでした。長年、色々なレンズで撮影してきましたがこの組み合わせはその中でもトップクラスの写りです。線が繊細でシャープで色乗りの良さもとてもビデオカメラとは思えません。

焦点距離によっては一部に画像の流れも見受けられますが私のレンズの個体差のような気がしてなりません。それほどの写りです。

基本はレンズ交換可能な画期的なビデオカメラですがセンサーの素性の良さなのか?それともこのズームレンズの良さなのか?とにかくPCで見たときは思わずえっ?と声を上げてしまいました。

ムービーはもちろんスチールも先代のVG10より確実にクオリティがアップしています。万が一の場合はVG20だけでムービーもスチールも何とかなりそうです。ムービーに関してはある部分ではEOS MOVIEを凌駕しています。

とにもかくにもそういう時代になったとも言えるわけです。凄い時代になりました。


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2011.10.27

◇ ブリーチバイパス

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GR DIGITAL Ⅳ / GW-2

ブリーチバイパス。

初めて聞いた言葉だった。Ⅳのフィルタとして新たに搭載されていることをカタログで知った。オリンパスのカメラにも搭載されているらしいが所謂HDRの類かと思っていたがこのⅣのそれは少々違う印象だ。

最初の印象は惜しまれて生産終了した好きだったコダックのコダクロームとよく似ている!だった。コントラストと発色が独特で若干墨が入ったような印象のフイルム。

調べてみたところ、ブリーチバイパスは1960年代に日本で生まれた映画技法でその独特の雰囲気で特に懐古的な時代性などを表現する場合に広く使われているとのことだった。

そういえば最近レンタルで観た「ヒアアフター」にも部分的に用いられていた。ウェブ上ではHDRと一緒に語られているようだがまったくの別ものだと思う。

シーンを選ぶが非常に気に入っている。今はまだノーマル設定でコントラストと周辺減光を少し変更している程度だが今後色々と試してみる価値はありそうだ。

この効果はワイドレンズで活きる気がする。そう言えばコダクロームもかつてのフイルムカメラの名機GR21で好んで使っていた。

またⅢから感じていたことだがGRD/GW-2でのスクエアはデジタル版のハッセルSWCに近い。新たに搭載された水準器で完全な水平を保つとSWCの世界を驚くほど体現できる。

ブリーチバイパスとスーパーワイドスクエア。何気ないシーンをよりドラマティックにしてしまう。その奥に潜むストーリーをも浮き彫りにするかのように・・・


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