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2011.08.18

◇ 粋なレンズ

0818

LEICA M9 / Thambar 90mm f2.2

以前から尊敬している写真家の清家氏がライカレンズで最後に使ってみたかったレンズとおっしゃってM3でタンバールの試用を始めた。どのように使いこなされるか楽しみだ。

私は専らM9なのでいきなり色気のない話になるがこのレンズで撮ったデータをヒストグラムで見ると山が中央部に集まった豊かなデータになっていることが多い気がする。

開放付近の絵はいわゆる眠い絵になっているのだがこれを補正していくと意外と懐の深いデータになっていていかようにも料理できる。眠いということはつまり階調が残っているとも取れる。特にシャドウ部はコシがある。

元データがコントラストやシャープネスが強すぎるデータは見た目は良いが補正をかけていくと破綻しやすいのはデジタルフォトでは今や常識になっている。

現代のレンズやデジカメはどちらかというとそういうクッキリハッキリ系の絵が多い。それはそれで悪くはないが70年以上前のレンズで撮った画像データが補正に強いというのはなんとも不思議な事実だ。

このレンズはユルユルの甘いソフトレンズと誤解されているケースが多いが解像自体は甘いわけではない。開放からとてもシャープで線が細くHektor73mmなどと同じ傾向でピントはやや厚めだ。

そのシャープな絵に品の良いヴェールが覆う。その覆い加減は絞り値で変わっていく。同時にピントの厚みも緩やかだが変化する。ボケもクセがあって光源などを画面に入れるとコントロールできないケースも多々ある。

なんとも掴みどころが難しいレンズだが浮かび上がる絵画調の画像にはいつも唸らされる。「このレンズの味はなかなか粋なもんですよ」と故木村伊兵衛氏が評したらしいがデジタル時代の現代でもなかなか粋なレンズである。


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