◇ 三度目の・・・
LEICA M9 / NOKTON 35mm f1.2 Aspherical
R-D1の頃に一度目、M8の頃に二度目。レンズ遍歴を重ねていく中で何度も同じレンズを手にしてしまう愚行はベテランの方たちならば経験されていると思う。
そうと分かっていても今回はフルサイズでこの唯一無二の35mmを使用できる思いには勝てなかった。このレンズとはこれで三度目の出会いとなる。まったく・・・
ノクトンという響きはやはり他のレンズにはない響きがある。他で思い浮かぶのは同じ意味を持つノクチルクス。どちらも暗闇の中の僅かな光を感じるレンズ、と理解している。言い得て妙の名だ。
35mmで開放F値1.2というスペックは魅力である。R-D1やM8の頃は換算で約50mmだった。そこにはF値1.0というノクチルクスが居た。しかし、35mmでは正真正銘世界初にして唯一無二。
今年の初めにディスコンのアナウンスがあり、直後に市場から姿を消した。これでこの唯一無二の銘玉も無くなってしまうのか?と残念に思っていた。
ところが2月のCP+で新型の二代目が突然発表になり、驚きを感じたがその姿を見たとたん新型ではなく初代の方に好印象を持つようになってしまった。
写りはおそらく微妙な違いだろうが新型の方が上回るかもしれない。しかし、コシナ製ツァイスに似たネームリング周りのキンピカデザインはあまり好みではない。
その後、発売アナウンスもないので初代が今のところ唯一無二の存在を守っている。私の経験では写りについてもライカのズミルクス35mm ASPH.とほとんど区別はつかない。
あえて違いを言えばズミルクスの方が開放時の中心部のシャープさが鋭くボケが柔らかく大きいので巷で言われる立体感伝説になっている。反してノクトンの開放時は中心部とは言え少々甘く、ボケも思いのほかボケない。
要は同じ35mmでも被写体によって使い分けることが理想の2本だ。だがそれも開放時でのこと。絞れば違いを区別することは困難であり、また意味も無い。
今更感もあるがライカにも無いF1.2というスペックの35mmをフルサイズ35mmとして撮影できることは当たり前と言えばそうだが改めてM9に感謝だ。
これでセンサーサイズの違いが生む度重なる再会という愚行は終わりになりそうである。
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