◇ 美とクリエイション
LEICA M9 / Noctilux 50mm f1.0
美。たった一言でも受け止め方は十人十色。
写真作品においても作家がどんなに美しいと考えても見た人が美を感じなければそれはただの一枚の写真。心が震えるか?これが自分にとっての美のモノサシです。
一昨日、銀座で拝見した作品には残念ながら心は震えませんでした。国内はもちろん海外でも高い評価を受けている若手写真家。世評が良いとそれに影響されて良いと思わなければ的なことは主義ではありません。
伝え聞くと、素晴らしい!という評価や理解できない?という評価など様々。それで良いのだと思います。すべての人が素晴らしい!などという評価は滅多にありません。
しかし、彼の作品に向かう姿勢は大いに共感を覚えました。特にデジタルカメラの進化を天から降ってくる的な表現を用い、新しいツールに対するそのどん欲な姿勢は非常に共感を覚えました。
私もデジタルカメラの進化は表現の進化と捉えています。写真表現においてデジタルも銀塩も変わりはないですが、クリエイティブな表現の幅や自由度はデジタルは銀塩の比ではないことは言うまでもありません。
すべてのワークフローでイメージングとハンドリングがリンクしていることがデジタルの革新であり核心。その若手写真家も撮影前にすでにプリント表現をイメージして撮影に臨んでいるとのこと。それこそが現代の写真におけるトータルなクリエイションだと思います。
今は彼の作品にはこころが動かずともクリエイションの過程には大いに共感を覚えました。いつの日か彼の作品に激しくこころ動かされる日を期待したいと思います。その日はそう遠くないかもしれません。
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