« December 2009 | Main | February 2010 »

2010.01.31

◇ ライカでモノを見るということ

0131_3

LEICA M9 / Elmarit 90mm f2.8

ライカで撮る。ということはブライトフレームでモノを見る。単焦点レンズで撮る。ということです。

35mmはモノゴトヲ

50mmはモノヲ

90mmはモノゴトノホンシツヲ

私がライカを使うときに勝手に解釈している焦点距離の考え方です。もちろん、例外はありますし、各々個人の視点で変わります。自分自身、目的を達せられないことも多々あります。

また、焦点距離=年齢説。その公式を当てはめれば今の自分は50mmです。つまり90にならなきゃ本質を見抜けないのかい?なんていう突っ込みはご勘弁ですが・・・

ブライトフレームを通してモノを見つめるときの画角の意味とは?ライカの単焦点でモノを見ているとその辺りのことを特に意識させられます。

最近、あらためてキチンとした90mmを使い始めました。実はここのところレンジファインダーはR-D1やM8ばかりでしたので・・・つまり90mmではないのですね。正確には・・・

M9で久しぶりに90mmを使うとモノゴトノホンシツヲ!ということを強く感じます。ライカの90mmの小さなブライトフレームはモノゴトノホンシツを切り取るという行為がより鮮明になります。

写る部分が小さい。つまり写らない部分が大きいということはファインダー内の光景のどこを撮りたいのかい?と問いかけられます。これがたまらない面白さです。

また、M9で楽しさを再発見しました。


| | Comments (7)

2010.01.27

◇ 心地よい予感

0127_2

LEICA M9 / Summilux 35mm f1.4

昨日、北井一夫さんの写真展「Walking with Leica 2」へ。

冬の午後の光が柔らかく射し込むエントランスを入り、すぐに目に飛び込んでくる「ゆず」と「りんご」。大きなテーブルに置かれたオリジナルプリントと展示作品とを交互に拝見しながら穏やかな空気感が漂う。

作家が作家自身のそれまでの作品を越えながら、次のステップへと移行するとき、なにがしかの賛否が起こることは世の常。

北井一夫という写真家がそれまでの作品を踏まえながら、自身の中で何かの変化が起こり、ご自分の中でそれを楽しみながら作品を紡ぎ出しておられる。

過去の作品を踏まえて今回の作品をただ見れば賛否両論が起こるのもうなづける。作家がリアルタイムで変化を起こし、次のステップへと進化する。それがとても楽しみな進化である予感。

幸か不幸か今までの作品をリアルタイムで触れてこなかった私。それが今、作家の作風の変遷を逆にたどる・・・というか現在の作品へ至る道程を見渡せる感覚?

今回の展示作品はアーティスティックでピュアで美しい作品群。「Walking with Leica 2」の作品の中でもこれらをあえてセレクトして展示された北井さんの意図は?

そんなことを感じ、考えながらボヤ~と作品を見つめていると心地よい空気感が生れてくる。これからどんな素敵な北井作品に出会えるのかという予感めいたものでこころが穏やかになる。

一緒に行った連れが「一個、二個、三個、どれがいいかな?」と唐突に質問することに微笑みながら考える瞬間も楽しく感じるひととき・・・

ということで酷評されていたらしい?写真展でしたがちょいとヘソ曲がりで北井作品初心者。でも美しいものは理屈ぬきにリスペクトしてしまう?私にはとても印象的で素敵な写真展でした。


| | Comments (0)

2010.01.25

◇ 酷評と絶賛

0125

LEICA M9 / Summilux 50mm f1.4

酷評されているらしい・・・写真展があります。北井一夫さんの「Walking with Leica 2」

冬青社の高橋社長のブログで今回の北井さんの作品が酷評されていると書かれていました。そのことを知ったのはワタナベサトルさんの日記。

その写真展へ少しだけ存じ上げているアートディレクターの菊地さんが行かれ、絶賛されました。菊地さんはグラフィックデザインの世界でご活躍されていて、仕事柄、様々な写真家の作品を見られている方。

その方が絶賛されていることもなかなか興味がそそられます。絶賛と酷評。作家にとってこれほどシアワセなことはないですね。

中途半端な意見ほど役に立たないことはありませんから。特に当たり障りのない適当な褒め言葉が一番イケマセン。でもそれがヒトの一般的行動だったりします。

それに高橋社長の商売上手。ワタナベさんも書かれていましたが、酷評と書かれれば関心が沸かないわけがありません。特に私のようなへそ曲がりの人間にとっては・・・

個人的には北井さんの写真集で「フナバシストーリー」という作品に関心が・・・今、私が住んでいるのが市川で船橋とは隣街。

船橋という街は私の記憶の中にも色々と思い出がある街。しかも北井さんが撮られた80年代はその時々でリアルタイムで見ていた街。個人的には惹かれる言葉「フナバシ」です。

北井さんのファンからは何を今更?でしょうが関心が沸かなかったので仕方ありません。ご勘弁を。まったく別の世界でも「写真」というものに触れている人間もいるのです。

ただ、今も昔も写真家や作品に特別思い込みがない分、一旦、関心が沸くと猛烈に知りたくなる性があります。おかげで早速、アマゾンで「80年代フナバシストーリー」「ドイツ表現派1920年代の旅」「Walking with Leica 1」の三冊を注文してしまいました。

そして「Walking with Leica 2」も手にするのでしょう。きっと・・・まんまと高橋社長のワナに嵌っています。それもヨシとしたい気持ちもあります。人間、いくつになってもこころが動くことが大切です。時期の早い遅いは関係ありません。

今週、時間を作ってぜひ中野のギャラリー冬青へ行きたいと思っています。さて、どんな出逢いがあるのでしょうか?楽しみです。


| | Comments (0)

2010.01.12

◇ ライカで50mm

0111_1_2

LEICA M9 / Summilux 50mm f1.4

仕事では普段、主に一眼レフを使い、ワイドレンズがメインの撮影をしています。それも特殊なワイドレンズばかり、12mmから28mmまで、他にシフトレンズやフィッシュアイまで・・・

クライアントのイメージにより近い絵がワイドレンズでしか撮れないケースが多いということ、タイトな撮影環境で空間全体を押さえられる、などが理由です。

しかし、このワイドレンズの絵はある意味ウソの絵でもあります。肉眼を超越し、誇張されたイメージの世界でもあります。しかし、空間コンセプトを表現する意味では絶対に外せないレンズです。

ただ、そういう世界にドップリ浸かっていると、無性に標準レンズでモノを見たくなります。それもライカで。若い頃、私はライカによって本当の絞りとピントの意味を知りました。

なぜなのか?という説明は省きますが(いずれ詳しく・・・)一眼レフは写実の世界を、レンジファインダーは想像の世界を切り取るものと感じています。


0111_2

LEICA M9 / Summilux 50mm f1.4

レンジファインダーは絞りとピント以外にレンズの個性や露出などシャッターを押す以前に思いをめぐらせ、想像しなければならないことがたくさんあります。撮影者に独特のプロセスとイマジネーションを要求します。

対して一眼レフはファインダー内で変化する事象を切り取ることに専念すれば目的は達せられます。ブライトフレームを通して絞りとピントと相談しながら撮影するレンジファインダーは独特の感覚です。ただ、これは優劣の問題ということではありません。

しかもライカの50mmブライトフレームの良い意味での適当さ、ユルさ、写らないエリアの按配さは絶妙です。デジタルのM9と標準50mmの組み合わせは温故知新とも言えますがある種の大人感覚の心地よさがあります。

それにしてもやはり写真の基本は50mmだなあとつくづく感じます。最近はM9では標準レンズオンリーになってしまいました。


| | Comments (2)

2010.01.04

◇ 穏やかな年始

0104_0

LEICA M9 / Thambar 90mm f2.2

久しぶりに穏やかな年の始めでした。何十年ぶりかで手作りのお重入りのおせち料理、それにお好み味のお雑煮。

最近ではおせち料理を作らない家庭も多いらしいですし、老舗などの出来合いのおせちも悪くないですしね。そんなこんなで日本のお正月も様変わりしました。

その昔、私が子供だった頃はお正月と言えば開いているお店はお年玉をもらった子供目当てのオモチャ屋さんくらい。他のお店は最低でも三が日はお休みでした。

私のつたない知識で、もともとおせち料理というのは普段、家事で大変な主婦が三が日だけでもお休みできるために日持ちする食材と料理だった。という意味もあったはずですね。たしか・・・

今では元旦の朝から夜までスーパーやコンビニが開いていて不便なことはまったくないですね。わざわざ暮れに大げさに用意すること自体がバカらしくなるくらいです。

まあ、文化・慣習というものはそういうものではないのでしょうが・・・少し複雑な気持ちになりますね。昨今のお正月風景は。

今年のお正月は自宅ではなかったので少し違った風景の中でのお正月で新鮮でした。元旦の夕暮れ時、空気がピーンと澄んでいて遠くに富士の山が一望できました。穏やかで良いお正月でした。

| | Comments (6)

2010.01.03

◇ あけましておめでとうございます

0103

昨年はおかげさまで公私共に大過なく順調に過ごすことができました。

さて、今年はどのような年になるか?

常に心がけていることは

「新しいものにはハードルを儲けず、しかし、大切なものは見失わないこと」

今年もみなさまとともに楽しみながら、充実した年にしていけたらと願っております。

よろしくお願いいたします。

写真はいずれスカイツリーとバトンタッチをするTOKYO TOWER。

いつの時代も自ら輝き、同時に周りに希望をもたらす・・・

いつまでもそんな存在でありたいものです。


| | Comments (3)

« December 2009 | Main | February 2010 »