
MINOLTA CLE with M-ROKKOR 28mm F2.8
E100VS & EPSON F-3200
若い頃はバリバリのプロ用一眼レフにお高いズームレンズ付のセットを2台持ち、永年のテーマの明治生まれの灯台を撮りに全国を走り回っていました。灯台のほうは今は休眠中ですが、いつか復活させようと思っています。けれどもあの頃のように一眼をガンガン振り回すことはもう気恥ずかしくて出来ません。街中であの戦闘的なスタイルはちょっと・・・。
そんなことでレンジに惹かれてしまうのですが、初めてのレンジは発売と同時に買ったコンタックスのG1でした。正確に言えばレンジではないのでしょうがそのスタイルに新鮮さと大人感覚を感じたことを今でも記憶しています。銘玉と呼ばれた21、28、45、90と立て続けに揃え、初めて身の回りのものを撮り始めました。
一眼は「ガキのカメラだなあ」とかなり過激ですがそんな考えも浮かぶほどのめりこみました。その後、誰でも憧れるライカM3へと進み、中判のレンジ、マミヤ7まで手を出し、レンジ街道まっしぐらでした。が、デジタルの台頭で今では信じられませんがフイルムカメラ全てを処分してしまいました。そして昨年、R-D1を購入、これが再びレンジ街道復活へと続くとは夢にも思いませんでした。
何ゆえ、こんなにレンジに惹かれるのか?おそらく道具として見たときに見事に五感に響いてくるからかもしれません。手の中で心地よく操ることの出来る大きさと重量感、質感、操作感、そして視神経の延長としての実像ファインダー、そこから写真表現へと脳内で変化させるクリエイティブな行為。
レンジの雄ライカが写真表現以外でも語られることが多いのはこういった五感をフル稼働させて一枚の写真を撮る行為そのものが撮影者にとっていかに楽しいことかなんでしょうね。手や、目や、耳から感じ取れる最高の道具がライカを筆頭としたレンジたちなんでしょうね。
私にとって撮れた写真はそれが作品と呼べるものかどうかは二の次で、撮る行為そのものがたまらなく魅力的でレンジと対話できる時間が取れればそれで満足なんですね。その中から、1枚でも作品と呼べるものが撮れれば大満足なんです。
このCLEも「五感で操る」感覚で対話できる小さいけれどキラリと光る魅力的なレンジです。そしてM-ROKKOR 28mm。R-D1でも素晴らしいレンズでしたがフイルムでもやっぱり素晴らしいレンズです。クリック感が心地よい絞りリング、意外と操作しやすいピントノブ、なにより、あまり存在を主張しすぎない大きさとデザイン。道具としても一級品ですね。